一般社団法人鈴鹿青年会議所

第55代理事長所信

第55代理事長 岡田 篤典

【はじめに】

人生にはこれからの未来を大きく左右させる転換点が幾度かあります。それは自身が決断した時や他人からの何気ない一言がきっかけとなる場合、または社会環境における流れからかもしれません。私の人生の中での一つの転換点は、間違いなく鈴鹿青年会議所に入会した時でした。幾多の運動や活動に参画していく中での学びや、共に切磋琢磨していく仲間との出会いは、私の人生を豊かにしてくれました。

そして2022年度、創立55周年を迎える鈴鹿青年会議所も一つの転換期とする年となります。会員数の減少や組織の運営方法など、様々な課題を抱え、抜本的な改革に取り組んでいくことが必須です。これからの未来に目を向け、諸先輩方が築き上げてこられた鈴鹿青年会議所の新たな礎となるように、さらに魅力ある団体へと成長していきましょう。

自らの人生が今以上に豊かになれると信じて。

【新しい礎を築くために】

今の我々は、どのような未来を描きながら、進むべき道を定めていくのでしょうか。鈴鹿青年会議所は創立から55年目を迎え、これまでの歴史と伝統を背負い、地域のため、住まう人のため、なにより自分自身のために活動し、挑戦し続けなければなりません。その姿が諸先輩方に対しての敬意の表し方であり、感謝の心であると私は思います。そして、周年という年だからこそ伝えることができる運動を作りだし、今の鈴鹿青年会議所が持つ力強い姿を現してほしい。会員一人ひとりが高い志と強い意志を持ち、これからの新しい礎を築いていきましょう。

【切磋琢磨する仲間と共に】

「人は人でしか磨かれない」という表現があるように、多くの仲間と共に集う時間は、自然と己の成長に繋がります。新しい仲間との出会いには、今までにない理論や運動を生み出す力があり、鈴鹿青年会議所に新しい風を吹かせる機会になります。その多様性を受け入れ、会員の向上意識を高め、多くの青年経済人の仲間が入会したいと思えるような組織を作り上げてほしい。鈴鹿青年会議所をより強く輝かせられるように、一人でも多くの仲間を募り、切磋琢磨し合う中で己を磨き、力強い活動をしていきましょう。

【これからの未来へ】

鈴鹿青年会議所では、数多くの事業を鈴鹿市に住まう青少年を対象として運動してまいりました。昔と今では社会環境や自然環境、なにより日常生活の中で大きな変化があり、子どもの学びに求められている内容も時代に沿い変わり続けています。親世代である我々も、時代に即した考えを持ち、今の子どもに必要な資質を高められる学びを創出し、さらに地域への貢献に繋げてほしい。これからの未来を担う子どもの心に寄り添い、手を取り合える運動を展開してまいりましょう。

【魅せる運動を】

2020年から世界中で流行した新型コロナウイルスにより、鈴鹿市においても多くの運動や活動が中止もしくは延期となりました。安心安全なまちづくりに必要な取組みや子どもから大人まで思い出となるイベントなど、それらはまちに元気と輝きをもたらしていました。未だに完全な終息には目処が立たない状況の中、我々にできることは何があるだろうか。今だからこそ、地域にある数多くの団体と手を取り合い、魅力ある運動を作り出し、鈴鹿青年会議所の魅力を地域へと存分に発信してほしい。歩みを止めず、進み続ける鈴鹿青年会議所の力で、まちが元気になれるように、そして人々が笑顔になれるように、魅せる運動を創出していきましょう。

【価値と魅力ある創造を】

我々が持つ魅力の一つであり、運動を巻き起こしていく原動力となっているのが、会員の団結力です。互いが活動の中で理解を深め、協力し合うことでその力はより一層増していきます。社会環境の変化が早い現代には、多様な価値観があり、新たな価値を認識し受け入れることで、自身の可能性を広げてほしい。そのためにも、個の資質を高めることが大切なことは勿論、自ら率先して動き、先頭に立ち指導力を発揮していける人材が必要となります。自らが持つ魅力を存分に示し、価値ある活動を共に創造していきましょう。

【未来を捉えた改革を】

新しい技術が次々と生まれ、昨今のデジタル化の波も勢いを増し、多くの企業や団体でも様々ある手段を活かした活動をしています。我々は、築き上げられた歴史があるからこそ持つ強みを軸として、様々な可能性を模索し、組織としての新たな戦略を構築することが大切です。創立からの変わることのない意志を継承し、全ての会員の心に浸透させ、時代に即した思考で未来を捉えた改革の道を示してほしい。これからの時代においても、会員同士が強固な協力体制を構築でき、活動の幅を広げた力強い運動の推進に取り組んでいきましょう。

【むすびに】

ある時、先輩から伝えられた言葉があります。我々の活動は「自利利他」の精神を持ち、歩んでいくことが大切なことだと。その言葉の意味は理解していたし、自身の中ではその精神で行動していました。ただ、そこには理解したつもりで、辞書で調べた意味だけを頭にいれ、できた気でいる自分がいました。その言葉の本当の意味に気付いたのはつい2年ほど前、私の中で唐突にこの言葉が浮かび、気付かされました。その瞬間から、また少し私の人生に新しい変化が生まれました。

私のように、答えはすぐにでることはなく、突然かもしれません。ただ、一つのきっかけが、人生にとって大きな転換点となる可能性があるのであれば、その可能性を逃すことなく掴んでほしい。いつあるのか知ることがない機会だからこそ、多くの仲間たちと巡り合い、生涯の友がいる鈴鹿青年会議所の活動を大切にしてほしい。今の自分は過去の自分が作り上げてきた姿であり、未来の自分は今の自分が作り上げていく。

ここには目に見えない出会いがたくさんあります。