一般社団法人鈴鹿青年会議所

第53代理事長所信

第53代理事長 鈴江 数正

【はじめに】

新たな時代が幕を開け、社会は更にスピードを上げて変化していくことが想定できます。しかし、どのような時代に変化しようとも変わらないものがある。それは、生きているのではなく、生かされているということ。考えてみてほしい。今、ここに自分がいるのは、何故だろうか。家庭や仕事、そしてJC活動ができているのは、何故だろうか。根本は、母が命懸けで産んでくれたからではないでしょうか。私たちには、両親がいて更には先祖がいます。先祖が一人でも違えばここに居ない。我々一人ひとりは、奇跡の命なのです。

皆さんは、自分の誕生日に何をしますか?私は、母に感謝を伝えています。自分の誕生日イコール母が命懸けで産んでくれた日、だから有難うと言うのです。29歳の時に恩師から教えてもらい、30歳の誕生日に初めて両親を食事に誘い、母の手を握り「産んでくれて有難う」と伝えました。正直、気恥ずかしくもありましたが、伝える事ができて良かったと思っています。そこから私の人生は大きく変わっていきました。その一例として社業では8期連続の赤字を黒字に転換することができました。それは、自分自身が素直になれたこと、そして目に見えない物を大切にできたからだと思います。素直な心は、人生の歩みを正しく聡明にし、人の心、優しさ、気配り、言葉や挨拶、そうした目に見えない物の大切さを感じることで謙虚さが生まれます。私が言う真の強さとは、人の上に立つことではなく、権力を行使するのでもなく、自らの弱さを受入れ謙虚になり、人に真に優しくできることです。それが一人ひとりの人生や社業、JC活動の原点にあることを伝えておきたい。

【満天の星空のように輝け】

資質向上とは、各々が持っている性質を更に強めるための行動や手段をさしています。 2018年日本JCの定款にビジネスの機会が明記されました。何故でしょうか。青年経済人としての社会貢献の一つは、ビジネスを通じて価値を生み出すことにあるからです。物の例えで、「風が吹くと桶屋が儲かる」という話があります。自然界で風を吹かせるのは無理な話ですが、何かを仕掛けることはできます。その仕掛けのタイミングや突きどころが良ければ、地域発展やビジネスの好循環にも繋がるということです。だからこそ個々の資質の向上が必要であり、先見性や発想力を高めて行く必要があるのです。そのためには、第六感いわゆる感性を磨くしかありません。感性を磨くことで、価値観や視野も広がり、あらゆる側面から物事を見ることができるのです。地域、経済のリーダーである我々一人ひとりが輝き、力を合わせて更に輝きを放ち、社会を明るくしていきましょう。

【キラキラ輝くまちを目指して】

そもそもまちづくりとは何か、私は暮らしであると思っています。暮らしのないまちづくりは単なる箱だけを用意したものであり、そこに確かな暮らしが無ければ、まちづくりになっていると言えないからです。「暮らすまちをより良く活性化する」これが本質だと考えます。暮らすまちとは、地域の方々が健康・安全・安心に住まうことができるまちですが、そこには、一人ひとりの「自分の身は自分で守る、自分たちのまちは自分たちで守る」という当事者意識が必要です。そして、より良く活性化するためには、地域の方々に更なる郷土愛を感じてもらうことで、キラキラ輝くまちになるのではないでしょうか。

また労働力不足による外国人労働者の受け入れを広げるため、国会でも改正案が可決された中、鈴鹿市も国際理解をより深め、多文化共生社会の実現に向け、更に意識を高めて行かなくてはなりません。誰一人取り残さないまちの未来創造に取り組んでいきましょう。

【一人でも多く共に輝く同志を】

近年、JCでよく聞く言葉の一つに会員減少があり、運動や活動を縮小せざるを得ないと考えるLOMもあるのではないでしょうか。鈴鹿JCにもその時が来ていると感じます。しかし、我々はまちの未来をつくる上で、絶対に必要な団体です。「会員拡大はJCの基本運動」この意味を考えてほしい。それは、まちを愛し、まちのためにと立ち上がれる団体それがJCであるからこそ、一人でも多くの同志が必要ということです。

もう一つ、私が拡大をする理由で信じていることは、「人は人でしか磨かれない」ということ。私たちは、今まで生きてきた体験や経験により各々に価値観が形成されています。その価値観を多様化して行くには、多くの人の考えに触れるしかありません。だからこそ拡大をするのです。自分のことだけを考える人が多いまちより、誰かのためと考えられる人が多いまちの方が良い。JC運動に自信を持って行動し、地域への情報発信を積極的に行い、無限の可能性を持つ同志を募っていきましょう。

【子どもの未来が光輝くように】

2020年、東京オリンピックが開催されます。大会ビジョンは、スポーツには世界と未来を変える力がある。3つの基本コンセプトは全員が自己ベスト・多様性と調和・未来への継承です。これは、子どもたちの未来を創造する上で、重要なキーワードではないでしょうか。次世代を担う子どもたちが、あらゆる機会をきっかけとし、将来への夢や希望、挑戦心を持ち幸せな社会生活を主体的に営む姿は私たち全ての大人の願いです。

子どもの未来は、我々大人に責任があります。社会の目まぐるしい変化に対して、柔軟に対応できる力と、転んでも立ち上がれる力を身に付け、自分らしくベストを尽くせる人間であってほしい。そのために我々大人が子どもに対して何をどのように教え、導いていくのかを真剣に考え、子どもたちの心に響き伝わるようにしなければならない。それが、次世代を担う子ども達の輝きとなり、まちの未来が光輝く事に繋がるのです。我々だからこそできる子どもの未来創造に取り組んでいきましょう。

【一番星になるための厳格な組織運営】

JCは日本一SDGsを推進する団体としてスタートを切りました。これは、国連の定めた社会を良くするための持続的な開発目標であり、日本政府も東京オリンピック・パラリンピック、そして大阪万博と絡めて推進しています。LOMとしても積極的にSDGsに取組み、会員はもちろん地域の方々にも発信し、自分たちの仕事や活動、生活が幅広く社会に貢献している事を改めて認識し、自信や誇りに繋げ持続可能な鈴鹿にしていきたいと考えています。

また近年、会員減少傾向にある中で、予算についての新たな取組も検討し、より効果的で価値あるものにしていかなくてはなりません。更にJCの特徴である厳粛なセレモニーや、各種システム全てに意味があることを理解し、全会員が当事者意識を持って活動することで、より運動を昇華させると確信しています。そして次世代のあるべき姿を見据え、市民・企業・行政・諸団体と連携しながら運動を展開し、JCの醍醐味である機会提供を一人でも多くの会員に促し、体験や経験をすることで、気づきや学びを得てもらいたい。鈴鹿の一番星となれるよう鈴鹿JCをより強固な組織へと導いていきましょう。

【輝きを放ち続ける鈴鹿JCを目指して】

1949年「日本はこの先どうなるのだ」という混沌とした戦後の時代背景の中、全国各地で志ある若者たちが立ち上がり、JC運動は始まりました。まさに現在もこの原点と変わらない状況にあるのではないでしょうか。社会情勢や経済情勢の違いはあるものの、先行き不透明な時代であるのではないでしょうか。だからこそ、真剣に向き合っていかなくてはならない時期に来ていると私は感じています。

鈴鹿JCが半世紀以上存在しているのは、地域に必要とされているからに他なりません。それでは何故JCに志願者が少ないのでしょうか。何故会員拡大に難航するのでしょうか。誰もが活動をしている中で、変えた方が良いのではないか、これは変えるべきでない等の意見を持っているはずです。しかし、定款や各種規定を変えるのは困難であるという固定概念があり、一歩踏み出せないのではないでしょうか。もちろん容易に変えるものではありませんが、時代にあったものにしていかなければ根本的な改善に繋がらないのです。マイナスに捉えるのではなく、持続可能な組織へと改革できる絶好の機会だと考えていこう。会員の社業や人生に幸せなくして、明るい豊かなまちにすることはできない。時代の流れや、社会変化があろうとも、この先永続的に必要とされる団体であり続けるため、一人ひとりに真剣に向き合ってもらいたい。

【むすびに ~輝く未来にむけて一緒にやりましょう~】

皆さんが目指す人間像はどんな人間でしょうか。

私が目指している人間像は、「かっこ良く生きる」です。見た目だけの話ではなく、生き方、心の持ち方、素直な心、立ち振る舞い等、全てにそう思っている。もちろん泥臭く汗水を垂らすことも、頭を下げることも、泣くことも、失敗する事もありますが、それでも如何にかっこ良く生きるかを追求し、人の心を動かし導いていける人間でありたい。人が心動かされるのは、功績や権威ではなく生き様、つまり「どう生きたか」だと私は信じている。

最後に

皆さんは、JC活動を楽しんでいるでしょうか?私は、Noでした...。

私がJCに入会したのは2013年、参加するたび様々な不満を持ち、不参加となっていった。もうやめようと思っていた時に先輩から理事の話をいただいた。いろいろな不満を言いましたが、「わかった、なら理事をして変えてみな」と言われ心に火が付いた。しかし、現実は甘くなくJC活動を好きになることは無く、時間に追われ、議案作りに必死で、苦しかったことを鮮明に覚えている。その原因は、今思うと自分の弱さにあった...。

その後も、LOMでの理事、執行部、とうかい号の研修委員長を経験させていただく中で、自分の不甲斐無さを知り、物事の本質を考える重要性を知り、真の仲間と出会い、先輩方の優しさに触れ、達成感も味わいJCへの想いは変わっていった。どんなきっかけで入会し、どんなきっかけで気づき、どんなきっかけで成長できるのかはわからない。ただ一つ言えることは、JCには真の強さを持つチャンスが多くあり、自分の意識次第で必ずより良く変われるということ。平等に与えられている24時間という時間の使い方、何のために誰かのためにという目的、全てに共通して言える事前準備の大切さ、JCは必ず自分を成長させてくれます。鈴鹿市、鈴鹿JCのキラキラと輝く未来のために、無限の可能性を信じて一緒にやりましょう!!